V.d.s.の根底にあるもの

私たちV.d.s.のやり方の根底にあるものは
私たちがニューヒューマンと呼ぶ、新しい行動原理で生きてゆく人たちを作り出す理論と技術です。
  • 1. 私たちは脳内にある旧来のOS(基本ソフト)で動く愚かなサルどもから、最新のOSで動くニューヒューマンを目指します。
  • 2. 私たちは人間として(脳の構造上)、苦痛と妄想の中に生きます。
  • 3. 苦痛とは、仏教では四苦八苦というものであり、以下のものです。
    (1) 生 苦 生まれること
    (2) 老 苦 老いていくこと。体力、気力など全てが衰退していき自由が利かなくなること
    (3) 病 苦 さまざまな病気があり、痛みや苦しみに悩まされること
    (4) 死 苦 死ぬことへの恐怖、その先の不安
    (5) 愛別離苦 愛する者と別離すること
    (6) 怨憎会苦 怨み憎んでいる者に会うこと
    (7) 求不得苦 求める物が得られないこと
    (8) 五蘊盛苦 人間の肉体と精神が思うがままにならないこと
  • 4. 苦痛は人生に最初からセットされているものであり、生きる代償ですから、絶対に苦痛をなくすことはできません。
    そして苦痛をなくしたり、コントロールしたりするためにこのテキストがあるわけではありません。
    なくそうとしたり、コントロールしようとしたりすると、苦痛が苦悩に変わり、さらに苦しみます。
    なくすことができない全ての苦痛を完全受容することによって現実を肯定し、
    より役立つように生きてゆきます。
  • 5. 苦痛を苦痛に思う状態を苦悩といい、これは本来無駄な苦しみなのです。私たちの苦しみのほとんどはこの苦悩によるものです。苦悩は苦痛と違って減じることはできます。
  • 6. 実体とは、他人からも観察可能なもので、本来的に意味はないものや出来事のことです。
    妄想とは、他人から観察不可能なものであり、脳内で発生するさまざまな現象です。たとえば、思考や感情、記憶、衝動、理由づけ、イメージ、未来、過去、比較、評価、意味づけ、幻覚、幻聴などです。もちろんこの中に、自我(「私」)や意識、心なども含まれます。
  • 7. 妄想はその発生を止めることはできません。そのように私たちの脳は作られています。そして、私たちはフュージョン(妄想と実体のある事実が融合すること)して妄想を実体とたやすく信じてしまいます。
    妄想そのものは害ではありません。妄想によって苦悩が増し、役立たない行動をとるときに対処が必要です。
    マインドフルネスを利用した気づきとありのままに全てを受容するアクセプタンスによって、実体と妄想を切り分け、妄想を単に妄想として処理することができます。マインドフルネスは目的ではなく、活き活きと生きるための単なる手段です。
    フュージョンそのものも害ではありません。フュージョンすることによって苦悩が増し、役立たない行動をとる時に、フュージョンそのものから抜け出すデ・フュージョンを行います。
  • 8. どんな苦痛や妄想があっても、それと独立して行動することができます。
  • 9. 「正しいか間違いか」は単なる価値判断であり、苦悩を作り出す妄想です。私たちはこの価値判断の代わりに「それが役に立つのか立たないのか」を基準とします。もし、それが役立つなら、たとえ妄想でも積極的に利用します。

    10. 人間を含め全ての生物は電気信号と化学反応で動く機械です。この世の全てのことは物質に還元できます。
  • 11. 脳は外界にある実体の電磁波を耳や目などの受容器官を通じて電気信号に変換された信号に色づけしたり、「音」を作り出したりしています。そして、脳はよく誤作動します。つまり「脳」が私たちの現実の全てを作り出しています。
  • 12. 私たちは脳内の記憶をもとにことばを作り、ことばは思考を作りました。思考はさらに「私」(自我)を作りました。
  • 13. 「私」という意識(自我)は脳の活動の結果生じるものであり妄想です。「私」は実は何も決定していません。つまり、私たちには自由意志はありません。そして「私」は人間だけが持つ特殊なものです。
  • 14. 人生を含め自然界にあるあらゆることには意味も意図も目的もありません。これらは人間の都合で意味づけされているだけです。
  • 15. 私たちが学ぶ知識とツールを使って、社会に関わり、社会に貢献しつつ、人生の価値(ライフ・ヴァリュー)の方向に向かって歩いて行きます。
    ライフ・ヴァリューがあるかぎり、私たちの人生はたとえ苦痛があったとしても、その方向を目指して活き活きと歩いて行くことができます。
  • 16. ニューヒューマンの中心にあるのは「どうでもいい」という態度です。
    これはあらゆる苦痛や我執を離れたもので、デ・フュージョン、アクセプタンスの究極的な形です。いわゆる「悟り」と同じようなもの。
  • 17. この宇宙すべてのものはビッグバンによって生じた物質によって構成され、最小単位は素粒子です。宇宙開闢以来、物質の量は増えもせず、減りもしていません。素粒子の使い回しによって全ては構成されています。万物の構成要素は全く同じなのです。脳が作り出した「私」という妄想が、他者という分離を創り出しました。私たちは万物の一体性(ワンネス)をもとに行動します。
  • 18. 私たちはオカルトやスピリチュアル、迷信などを徹底的に排除して、知性を信頼し、科学の発展に寄与します。なぜなら、科学は妄想を切り落として、可能な限り実体に近づこうとする方法だからです。
    その科学こそ、私たちニューヒューマンの脳内のOSのコア(核)となるものです。
    いまだに科学で解明されないことについては、判断を保留し、愚かなサルどものように、決してオカルトやスピリチュアルや迷信や超越者を想定する妄想で説明したり、信じたりはしません。
  • 19. MEMENTO MORI(自分が必ず死ぬことを忘れるな)、CARPE DIEM(今を生きよ)、VANITAS(空虚)は私たちの根源の考えです。この世は空虚であり、実体そのものは、「ものがあって、ものが動いている」だけです。なによりも人生はとてもはかないものなのです。そして、私たちはいつ死ぬか分かりません。そのことを忘れず、今を楽しむのです。

この19個です。

この19個の原則をもとに

人生で発生するあらゆる苦しみに対応しよう


とするものなのです。

V.d.s.には理論ではなく、実際に身につけることができるよう、マインドフルネスや様々な手法によるエクササイズが数多くあります。

私たちの人生は苦しみがあることが苦しいことではなく、
苦しさのためにやりたいことができないことが本当に苦しいことにあります。

上の七つは事実そのものです。
この事実を無視したり、否定したり、ありもしないことを求めるとよけいな苦しみを自らに課すだけなのです。
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