私たちは、自分の感情や考えは行動に直結するものと考えてしまいがちです。しかし、実際には、それらは必ずしも行動を決定するものではありません。
例えば、目の前にある石を見たとき、人によって評価は異なります。「良い石」と感じる人もいれば、「気に入らない色の石」と感じる人もいるでしょう。しかし、石そのものは変わりません。異なる評価は、私たちの主観によるものです。
この評価と言う主観を、ものに投影しているだけです。
「嫌な人」や「苦手な人」と感じるのも同様です。これらの感情は、相手にあるのではなく、私たちの内面で作り出された妄想です。
この妄想を人に投影しているだけです。
物や人には、もともと意味はありません。
評価等の意味付けをしているのはあなたであって、そのあなたが意味のない人やものに自分の頭の中で発生した妄想を投影しているだけです。
このことを理解すれば、妄想である感情や考えに反応するのではなく、妄想として放置することができます。その結果、感情や考えに振り回されることなく、より価値ある方向へ進むことが可能になります。
実際、私たちは日常的に、感情や考えを妄想として扱っています。不快な思考や感情が頭をよぎっても、それに反応せずに日常生活を送っています。
もしそうでないと言うのなら、自分が考え感じたままに行動をしてしまいます。
例えば、腹が立ってこの人を殴りたいと思えば殴らないといけません。
実際はそうではありません。
このように思いや感情と行動は実は別のことなのです。
感情や考えを管理しようとするのではなく、それらに反応しないことで、私たちは自分の人生をより有意義に過ごすことができます。
感情や考えを単なる妄想と見ることができれば、無駄な苦悩から解放され、精神的、肉体的健康を保ちながら、自分のやりたいことに時間やエネルギーを注ぐことができます。
この視点から、私たちは自分自身の感情や考えに対して新たな関係性を築き、より積極的で自由な人生を送ることが可能になります。