人が亡くなって、その後に残されるものは、その人を象徴していたものです。
もう亡くなってしまった人の中で、あなたが尊敬している人のことを思ってみてください。
自分にとって本当に尊敬できると思っている人のことです。
思い浮かべることができましたか?
思い浮かべられたら、今度は、その人を象徴していたものが、今現在もなお(その人が亡くなってから、ずいぶんと時間が経っていても)、もっとも重要かどうかを考えてみてください。
それはその人から教えられた「愛」かもしれないし、「優しさ」、「人に対する思いやり」かもしれません。
あるいは「生きがい」かもしれません。
そうやって考えてみると、重要なのは、その人の物質的な所有物でも、内面的な悩みでもないことに気づきます。
重要なのは、その人の人生に反映している「価値」なのです。
あなたに与えられた地上での時間は限られています。
そして、その時間がどれだけあるかをあなたは知りません。
「あなたは、いつかは死ぬということを知っていながら、どうして生き続けるのですか?」
という問いは、次のような問いと根本的な違いはありません。
「あなたは、いつかは傷つけられると知っていながら、どうして愛し続けるのですか?」
あるいは
「あなたは、自分の目標を果たせるとは限らないとわかっていながら、どうして有意義な人生を送ろうとするのですか?」
または
「あなたは、失敗することもあるとわかっていながら、どうして成功を目指すのですか?」。
苦痛の可能性と、これらの体験から得られる充実感との関係は「コインの裏表」のようなものです。
もし、あなたの人生が実際に何かに向かっているのなら「自分の人生のが、どのような意味をもってほしいのか?」という観点から、自分の人生を眺めるとよいでしょう。
あなたは自分がどうなりたいか、もうわかっていることでしょう。
もしかすると、私たちのセミナーに来る前からあなたは知っているのかもしれません。
しかし、自分の弱さから逃げようとして、自分がどうなりたいかを隠していただけだったのかもしれません。
大切な「何か」をもっているということは、とてもすばらしいことです。
しかし、その大切な「何か」をもつことによって、人は新たな痛みを感じるようになります。
あなたが誰かに好意を抱き、あるいは愛を感じ、その人への愛に自分を賭けたとしましょう。
それは、その相手に振られたり、裏切られたり、関係を失ったりするかもしれないという危険に自分をさらすことにもなるのです。
また、病気や貧困、苦悩に悩んでいる人をなくしたいと本当に願っているのなら、それらに苦しむ人たちを目にするときに感じる特別な痛みに自分自身を開かなければなりません。
「何も大切だと思わなければ傷つくこともない」という考え方は、価値を制限しようとするマインドの働きです。
残念ながら、そのような考えに影響されて行動することは、何かを大切にするのではなく、かえってあなたを傷つけてしまうことになるのです。
本来の自分とは違う生き方をすることで生じる痛みは、何かを大切にしようとしているときにも時々生じる、痛烈で、リアルな痛みとまったく違っています。
それは、鈍くて重いもので、しかもずっと感じ続けなければならないものなのです。
しかし、それを感じながらも、あなたは自分の人生を活き活きと生きることができるのです。
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