バイロン・ケイティの「ザ・ワーク」
残念なことにスピ系に分類されてしまったりもしている「ザ・ワーク」。
http://www.thework.com/nihongo/
読んでみると、素晴らしい内容であることに気がつきます。
人は、コントロールできないものをコントロールしようとすると苦しむ、
というシンプルな原理を持ったセラピーです。
コントロールできないものをコントロールする、というのは、
その根底には、思考による現実否定が苦しみや悩みをもたらす、
というものがあると主張しています。
そして、その苦しみは、自分の外にはなく、頭の中にだけ存在し、
思考による現実否定が、苦しみをもたらしているにもかかわらず、さらにそれに執着することによって、
よりいっそうの苦しみにおぼれてゆくことが分かりやすく書かれています。
論理療法にも通ずるこのセラピーは、誰でも使うことができます。
ただし、思考が現実ではないこと、苦しみを生みだしている主体が自分自身であることに思い至らないと、使っている本人が意味不明になってしまう可能性もあります。
このようなことを言うと、たまにこんな反論があったりします。
「(悪口を言われて)嫌な思いをして、相手が悪いのに、自分のせいにしろ、というのか」
この人は、こう主張して、一体どうしたいのでしょうか?
たとえば、相手に
「悪口を言うな」
と、怒りつけたり、頼んだりするのでしょうか。
では、そうすると相手は絶対に悪口を言わないのでしょうか?
悪口を言う、言わないは相手の行動であり、相手が決めるものであるのです。
ところが、この人が相手に成り代わって、
「あなたは私の悪口を言うべきでない」
と相手の行動や意思が支配できると考えているのでしょうか。
つまり、相手が何をするのかコントロールできないときに、そのコントロールをもくろんだところで、どうしようもないのです。
できないことをしようとするからこそ、苦しみが出てくるのです。
もっと、根本的な問題があります。
たぶん、この人が怒るのは、
「(相手は)私の悪口を言うべきでない」
と考えていて、実際にそうされたからこそ、怒りという感情が発生したのです。
よく考えてください。
現実は、すでに悪口は言われてしまっているのです。
にもかかわらず、
「悪口を言うべきでない」
と、現実をいくら思考で否定してもどうしようもないことです。
現実は、悪口が言われているのです。
どうしたらいいのか。
悪口が言われてしまっている状態の中で、
自分がコントロールできることだけを行い、それ以外のことはしないことです。
じゃあ、具体的にはどうしたらいいの?
と考えるでしょう。
まずはこの本を読んでみてください。
あらゆる苦悩がこれによって解決するのは大げさですが、
しかし、目から鱗が落ちるのは間違いないでしょう。
セラピーを志す人にも、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
