これを読んでいる多くのみなさんは「自己啓発本」を読んだり、
「自己啓発セミナー」に参加してきたりしてきたことでしょう。
その内容は、今も昔も衣は替わっても中身は同じ、というものです。
たとえば・・・
思考や感情をコントロールする
・ ポジティブ思考を持つ
・ 嫌なことは考えないようにする
・ 気分をよくしてから行動する
・ ありありと願望が実現した状態を思い込む
などです。
これらに長期的な効果がないことはみなさんもお分かりだと思います。
ポジティブ思考を持てば、同時にネガティブ思考も持つことになります。
そもそも「ポジティブ」「ネガティブ」ということ自体、単なる『評価』であり、
自分の頭の中にある思考を評価で色分けして、
不快と感じたものを都合よく取り去ることなんてできないのです。
「嫌」と評価したことを考えないでおこうというのは、
「赤い象を考えるな」という心理ゲームと同じで、考えないようにするとますますそれにとらわれます。
何か行動するときに、「まず気分をよくしてから」と考えがちですが、
思考や感情というものは、移ろいやすいものです。
行動が思考や感情に支配されているとするならば、
その人の行動そのものは非常に移ろいやすいものとなるでしょう。
思考や感情はみなさんそれぞれが生み出したものです。
自分が生みだした思考や感情に支配されるとなると、
みなさんの人生はみなさんのものではなく、思考や感情に支配されたものとなってしまいます。
ありありと願望が実現した状態を思い込む時、
現実から隔離された部屋で、現実を見ないで済むように目を閉じ、自分の妄想に浸ることです。
妄想に浸っている間は気持ちがいいものですが、目を開けると、そこには現実があるのです。
このように、思考と一体化する状態を「フュージョン」といい、単なる思考を事実として、自分自身として信じてしまう状態です。
そして、フュージョンは単なる「苦痛」を「苦悩」にまで変えてしまい、
今ここにない時間、つまり、未来(不安など)や過去(後悔など)にとらわれ、
今できることができなくなるのです。
しかも、自分自身に対してもラベリング(「意気地なし」「どうしようもない」「情けない」というラベルを貼ること)し、
ラベル通りの自己を演じるだけではなく、過去の出来事をつなぎ合わせてストーリーを作り出し、
そのストーリーを無条件に信じ、これからもストーリー通りの自分を演じようとしさえします。
みなさん、よく分かって欲しいですが、
思考や感情をコントロールして成功したことがありますか?
確かに一時的にはホッとしさえするでしょう。
しかし、長期的に見ると同じ状況で同じことをしているだけなのです。
つらくなると酒で気分を紛らわせることと大した違いはないのです。
同じことを繰り返すということ自体、
そのやり方には効果がない
ということなのです。
『これまでと同じことをやり続けるならば、
これまでと同じものしか手に入らない』
あるいは、みなさんは、ありありと思っただけで夢が叶うと本気で信じていますか?
それはオカルトであり、魔法を求めているのです。
そんなもので叶うなら、この世界はみんな魔法使いだらけではないですか。
こんなことは、もう何万年も人が妄想し続けてきたことです。
この世には魔法は存在しません。
思考や感情に支配された自分を変えることなく、
世界や他人を変えようとすることほど苦悩に満ちたものはないのです。
なぜなら他人や社会をコントロールすることはとても困難だからです。
コントロールできないものをコントロールしようとするとき、
苦悩が発生します。
アメリカの断酒会で使用されているプログラムでは、こんな祈りから始まるのです。
『神よ、与えたたまえ。
変えられないものを受け入れる心の平静を、
変えられるものを変える勇気を、
そして、違いを知るための知恵を。』
むしろ、考え方、あるいは物事との関わりを根本的に変えることこそ、
たぶん、あなたは活き活きとした人生を歩むきっかけとなるのです。