人生に避けられない苦しみとの関わり方
これまで何度もお伝えしてきたように、私たちが一般的に思い描くような、「苦しみのない完全な幸せ」は、現実には存在しません。なぜなら、人生には生老病死といった四苦八苦が最初からセットされているからです。これらの苦しみは、生きることへの代償と言えるかもしれません。
しかし、問題はそれ自体に直面することではありません。四苦八苦は誰もが避けられないものだからです。重要なのは、そうした苦しみに直面したときに、どのように向き合うかです。これこそが、人生をより良くするか、逆に台無しにするかの大きな分かれ目となります。
多くの人は、苦しみと出会ったとき、身動きが取れず、苦痛を苦痛以上に感じてしまいます。さらに悪いことに、それに伴う思考や感情を何とかしてコントロールしようと躍起になることがあります。
コントロールは本当の解決策ではない
思考や感情をコントロールしようとする試みは、たとえ一時的に効果があるように感じられたとしても、実際には根本的な解決にはなりません。コントロールする努力は、その場しのぎでしかなく、毎回同じ苦しみに出会うたびに、また同じことを繰り返してしまいます。これは「コントロール」とは言えず、長期的には効果がないばかりか、人生の貴重な時間を浪費してしまいます。
私たちが伝えたいのは、苦しみは人生にそもそも存在するものであり、それを否定して逃げようとするほど、苦しみはさらに増大するということです。現実を否定することは、かえってその苦しみを深める結果になります。
苦しみを受け入れ、価値ある生き方を選ぶ
ここで重要なのは、苦しみそのものを排除するのではなく、それとどのように関わるかです。苦痛を苦悩に変えることなく、それに伴う思考や感情が単なる脳の活動、つまり「妄想」に過ぎないと認識することが必要です。そして、そうした妄想に振り回されることなく、自分にとって価値ある方向に進んでいくことが、真の意味で生き生きと生きることなのです。
私たちが目指しているのは、苦しみや不快な感情を完全に取り除くことではありません。むしろ、それらを**完全に受け入れる(アクセプタンス)**ことで、苦しみや感情に影響されることなく、自分にとって大切な方向に向かって行動することが重要です。
活き活きとした人生を歩むために
私たちの人生には、苦しみや不快な感情が避けられません。しかし、それらに対してどう向き合うかによって、私たちの生き方は大きく変わります。思考や感情をコントロールしようとするのではなく、それを単なる現象として受け入れ、自分の価値に基づいた行動を選択する。これこそが、活き活きと生きるための鍵なのです。
私たちは、このような生き方を目指し、自己変革を進めています。苦しみを排除するのではなく、それを受け入れ、自己の価値に従って進むことで、人生をより豊かに、充実したものにしていくことができるのです。