不安にもがいているあなたを助ける唯一の方法

日々の生活で、私たちは思考や感情に振り回されがちです。特に、苦しい時や困ったことに直面した時、私たちがそれらをコントロールしようとするのは自然な反応であり、心理的なストレスや不安を軽減しようとする試みでもあります。
そして、不安や絶望、イライラなどネガティブな思考や感情が強い時、私たちはこれらをコントロールしようとしてもがくでしょう。

しかし、実際には思考や感情をコントロールすることは難しく、それに逆らおうとすると、かえってその影響が強まることが多いのです。私たちの心は、往々にして過去の出来事や未来の不安にとらわれ、現在の瞬間を生きることが難しくなります。ここでは、思考や感情がコントロールできないことを示すエクササイズを5つ紹介し、その代わりに「受け入れること」の重要性を説明します。心の中の嵐を受け入れることができれば、私たちはより良い自己理解を得ることができ、結果として心の安定を取り戻す手助けとなるでしょう。

  1. 「赤い象」を考えないエクササイズ
    「赤い象を考えないでください」と言われたとき、あなたの頭の中に何が浮かぶでしょうか?多くの人は、かえって赤い象のイメージが頭に残るはずです。これは、思考をコントロールしようとすることで、その思考が強く意識に浮かび上がるためです。私たちの脳は、意識的に何かを「考えないようにする」ことができないのです。
  2. 「ポジティブな感情に置き換える」エクササイズ
    例えば「私は宇宙一幸せだ」と考えてみましょう。そうしようとすればするほど、実際には逆に自分の悩みや苦しみが思い浮かんでくることがあるはずです。ポジティブな感情に無理に置き換えようとすると、その反動でネガティブな感情が浮かんでくるのは、多くの人が経験していることでしょう。
  3. 「忘れる」エクササイズ
    何か辛いことや過去の後悔を「忘れよう」とすればするほど、かえってその出来事が思い出されてしまいます。たとえば、辛かった出来事を無理に忘れようとすると、その場面がより鮮明に浮かんでくることがよくあります。これは、無意識にその思考を強化してしまうからです。
  4. 「不安を感じないようにする」エクササイズ
    何か大事な予定の前に「不安を感じないようにしよう」と決心しても、その決意をすることで逆に不安が増してしまうことがよくあります。不安を消そうとすること自体が、不安を強める原因になってしまうのです。
  5. 「未来の心配をなくそうとする」エクササイズ
    将来についての心配を「何も心配しないようにしよう」と試みると、逆にその心配が頭を占めてしまいます。たとえば、次の日の大事なプレゼンや試験について心配しないようにしようとしても、心配がますます強まることがあります。

コントロールの無力さと受け入れの重要性
これらのエクササイズを通してわかることは、思考や感情をコントロールしようとするほど、それらに囚われてしまうということです。一時的にコントロールできたかのように感じることもありますが、長期的には同じ思考や感情が何度も戻ってくるでしょう。もし本当にコントロールできるなら、過去に一度で済むはずなのに、なぜ今も続けているのでしょうか?これが、思考や感情をコントロールする試みが長期的には効果がないことを示しています。

受け入れることの意味
結局、私たちは思考や感情をコントロールするのではなく、受け入れるしかありません。どんなに現実のように思えても、それは頭の中のものに過ぎず、現実そのものではありません。思考や感情が湧き上がることを自然な現象として受け入れることで、逆にそれらに対する反応を変えることができます。

もがくのをやめて、浮かび上がる
溺れているときにもがけばもがくほど、より深く沈んでしまうのと同じです。しかし、もがくのをやめて何もしないでいると、浮かび上がって助かることができます。これは、直感に反するように感じるかもしれませんが、私たちの心でも同じことが言えます。思考や感情に抵抗せずに、それを受け入れることで、私たちは次第に浮かび上がり、活き活きとした人生を歩むことができるようになるのです。
受け入れる、つまり「アクセプタンス」は人生においてとても重要なことなのです。


受け入れることは、これまで私たちが習得してこなかったスキルであり、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、この訓練を続けていくことで、思考や感情に振り回されず、自分自身の行動に集中できるようになります。

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