ポジティブ思考や前向きに考えよう、という言葉がよく言われています。
ポジティブ思考を持てば、簡単に何でも上手くいくと主張し、成功することも、ダイエットできることも、いいことだけを引き寄せることも、ビジネスで上手くいくことも、金銭さえ入ってくるというのです。
ですから、落ち込んでいる人やネガティブな人に対して「ポジティブに考えろ」などと言うのです。
けれど、これほど無責任な言葉はないでしょう。
落ち込んでいる人に対して、どうしていいのか分からないとき、とりあえずかける言葉なのですから。
全く効果がないとはいいません。
悲しいことに、その時少しは効果がある場合もあるのですが、その効果は持続せず、また、同じような状況に陥ると同じことを繰り返します。。
現実を見ると、天才と呼ばれる人は多く、不幸な結末になりました。
モーツアルトしかり、ニーチェしかり、芥川龍之介しかり、ゴッホしかり・・・。
安易に「ポジティブ思考を持とう」という前に、もっとしっかりと現実に向き合う必要があるでしょう。
そもそも、人間の脳はネガティブに考えるように作られているのです。
これは進化の過程で培われてきたものです。
たとえば、ジャングルで生活していた時、ポジティブに考えていたら、猛獣などに襲われて絶滅してしまったでしょう。
そして、湧いて出てくる思考なんて誰もコントロールできないのですから、ポジティブな思考のみを残し、ネガティブな思考を取り去ることなんて誰にもできないのです。
そもそも単なる思考にポジティブやネガティブという「評価」を与え、それを「事実」だと信じ込むことにこそ、大きな問題の根源があるのです。
思いは思い、事実は事実、なのです。
『人を不安にさせるのは、その物自体ではなく、私たちがそれをどう考えるかである』(エピクテトス)
