不幸だと嘆き、悲しんでいる人に対して、こんなこと言ったことはないでしょうか。
『世の中にはもっとあなたより不幸な人がいるんだから、そんなに悲しむ必要なんてないよ』
でも、よく考えるとかなりひどい言葉のように思いませんか?
自尊心という言葉があります。
自分の能力や評価を肯定的に捉えている状態です。
ところが思いがけなく、自尊心を傷つけられることもあります。
そうすると人はさまざまな方法で自尊心を守ろうとします。
この時、人は「下方比較」というものをしてしまいます。
それが、自分より状況が悪い人を引き合いに出して「自分より悪い境遇の人がいるのだから、我慢しないと」というものです。
実際にそのような人がいるかどうかは関係ありません。
自分より悪い境遇の人がいる、と信じればそれでいいのです。
このようにして、他人を利用して自尊心を守ろうとするのです。
よく考えるとひどいことですよね。
根拠のない差別の原因となりますし、人を踏み台にして自尊心を守ることは、健全とはいえないでしょう。
反対に、「上方比較」というものもあります。
自分より境遇が上の人と比較することですが、「あのようになろう」と希望を抱くこともあれば、逆に劣等感を抱くこともあります。
一方、自尊心を守るために他人を利用せず、自分を利用することもあります。
自分をわざと不利な状況において、自尊心を保つ行為です。
たとえば、試験前にあらかじめ「全然勉強していないよ」と言い訳したり、実際に遊びに行ってしまったりすることです。
このように不利な状況だと公言したり、不利な状況を作り出したりすることを、セルフ・ハンディギャッピングといいます。
こうして試験に失敗しても、自分自身の能力のせいにすることから免れ、自尊心を保つことはできます。
上手くいい成績を出せば、自分に対する高評価を持つことができるのです。
自尊心を守るためにこんなさまざまな方法を駆使するよりも、もっとありのまま、生きてみませんか?
