たまにある質問で、
解けない催眠はありますか?
というものがあります。
これに対して私がいつも言うのですが、
本人が覚醒したいと思うとき、覚醒します
と答えています。
1964年のエリクソンの医療関係者の前での催眠ライブの記録を見てみると、
誘導と覚醒の境目が非常に曖昧なのです。
しかも、被催眠者に対して
一つか二つか三つ、大きく深呼吸して目を覚まします
と、被催眠者に覚醒をゆだねているのが特徴でもあるのです。
催眠者が、催眠を「かけ」て「解く」という古典的な主従の関係ではありません。
催眠者が魔法か呪いを「かける」「解く」ような特別な力はありません。
実は、被催眠者自身が、自分ですべてのことを行うことができるのです。
ショー催眠において、その方が観客に対して分かりやすいから特に強調した覚醒を行うのです。
ところが、催眠の持つさまざまな側面、たとえば、依存心や人の注意を惹きたい、快感、安心感を得たいなどが強いと、
簡単に誘導されやすくなります。
ところで、昨日はある人と会いました。
T嬢です。
マインドクリエイトの創設期から数年前まで、被催眠者として大活躍していました。
現在は、転勤で関西を離れて遠方で働いています。
彼女の被暗示性、被催眠性の高さは、群を抜いていたため、誰が何をしても、どんな催眠にも誘導できる人でした。
簡単に記憶はなくすわ、正負の幻覚は見るわ、とんでもない状態でした。
たぶん、そんな自分が嫌になったのでしょう。
そして、嫌になっても、それでも催眠に誘導される自分がもっと嫌になったのでしょう。
彼女からの申し出があり、
決して催眠に誘導されない状態
を作り出す実験をしました。
約1ヶ月間、いろいろな操作を施し、ついに催眠に誘導されない状態を作り出しました。
何をしても、どんな催眠にでも誘導される彼女は、今、全く催眠に誘導されなくなってしまいました。
そんなことできるのか、という催眠者がどんな挑戦をしても、彼女は催眠に誘導されません。
まさに、魔法のようなのです。
そう、この魔法そのものが、私のマインドコントロール技術の基礎となったのです。
催眠に誘導されやすい人に対して、
さあ、あなたはどんな催眠にもかからなくなります
というのは愚の骨頂です。
彼女が催眠に対して持つ、依存や安心感などのさまざまなビリーフを置き換えることによってのみ、
どんな催眠にも誘導されない状態が作り出されるのです。
いったん、そのような状態になれば、後は自動的に催眠に誘導されなくなります。
よくよく考えてみたら恐ろしいことなのです。
お分かりのように、
何をしても誘導されてしまう彼女が、何をしても誘導されない彼女になる
ということは、逆の操作もできる、ということです。
しかも、被催眠性を高めて催眠現象を起こすのではなく、被暗示性を高めると、
わざわざ催眠現象を起こすことなく、自動的に暗示に反応することも可能だからです。
この時、その人は、自分の意思とは関わりなく思考し、行動するのではなく、
あたかも、自分が思考し、行動してると信じていますし、自分というものをしっかりと持っていると、信じています。
催眠を学ぶ人は、きれい事や建前、理由づけを取り去ると、
正直のところ、人を操りたいと考えている
のです。
けれど、催眠そのものでは、日常生活では使うことができません。
AVの影響を受けて、それを目指すのは、
テレビを見た自分が本当にウルトラマンに変身できると信じるほどの滑稽さなのです。
催眠という約束事がある特定の狭い空間、限られた人間関係と、時間の中で有効であるにしかすぎないのです。
むしろ、催眠的な技術、心理療法の技術を応用し、ビリーフを置き換えてしまうことこそ、本当のコントロールかもしれませんね。
人が知らず知らずのうちにどのようにしてコントロールされてゆくのか、
http://www5a.biglobe.ne.jp/~macht/mc12/index.html
ここにその答えがあるはずです。
昨日、T嬢とカフェに行き、いろんな話をしました。
さて・・・
今度は、彼女に対してとことんまで催眠に誘導できるようにしてみようか・・・(^_-)
と密かに考えています。(嘘ですよ)


