底なし沼

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前回、回避行動について書きましたが、

どんな場合でも、回避行動をとってはいけないのですか?

という質問がいくつかありました。

たとえば、底なし沼があったとしましょう。

そこに嵌まってしまったら、みなさんならどうするでしょうか?

たぶん、「もがく」でしょう。

では、もがいたら何が起こるでしょうか。

そう、確実にますます速度を上げて沈んでしまうのです。

もし、もがかないでいたらどうなるでしょう?

もがかないでいると、もがくときより沈む速度は遅くなるでしょう。

そして、助けられるチャンスは増えるでしょう。

あるいは、底なし沼に嵌まったと分かったとたん、そこに寝転がってしまったらどうでしょう?
寝転がって、その上を転がると、助かるかもしれません。

このように、「もがく」ことが一見正しいように思いながらも、その常識に反する方法である

何もしない

寝転がって転がる

ということが、実は苦悩から抜け出すヒントにもなるのです。

苦悩というものは、底なし沼のようです。

誰もがそこに落ち込むともがいてしまうのです。

もがくと苦しいと分かってもがくのです。

しかし、底なし沼=苦悩に対して、もがくという行動以外にも、別の行動する選択はできるのです。

では、あなたが本当に行きたい場所があるのに、その前に底なし沼があった場合、どうするでしょうか。

もし、底なし沼があるからといってあきらめてしまうなら、本当に行きたい場所には永遠に行くことができなくなります。

この時、さまざまな自己説得をして「行かない」ための理由づけをします。

たとえば、

そこは本当は自分が行きたい場所ではない

そんなことをしてまで行くほどではない

もっと他にいいところがあるに違いない

底なし沼がなくなってから行こう

このように、どんなもっともらしい自己説得をしようとも、

本当に行きたい場所に行くことができない現実は変わりないのです。

人生には、底なし沼のような苦悩が必ずついて回ります。

そんなものなくなって欲しいといくら願ったところで、苦悩は放っておいても、勝手にやってきます。

そのたびに、それらを避け続けると、自分が本当にやりたいことができなくなってしまいます。

そうすると、今度は、やりたいことができなくなるという苦悩が出てくるのです。

そんな時は、底なし沼をそのまま渡ってゆきましょう。

つまり、回避行動をとらず、ありのまま受け入れましょう。

もがかず、その上に寝転がって、転がって対岸までゆきましょう。

そうすると到達できるかもしれません。

あるいは、不幸にして沈み始めたら、何もしないでいましょう。

いずれの場合も、もがくというコントロールを捨てるということです。

それは、思考や感情を取り去ろう、少なくしよう、忘れようなどという、従来やってきて、効果がないコントロールする、という対処方法を捨てるということです。

そうすると、実はあなたがいる場所が、底なし沼でも何でもない、ただの道であるかもしれないのです。

なぜなら、あなたにとってそこは底なし沼でも、他人にとっては何もない場合もあるからです。

つまり、底なし沼は、あなたの頭の中にだけしかない、ということに気づくかもしれません。

そう気づくまでは、たぶん、底なし沼は現実のように感じ、それがために戦い、取り去ろうとし、意味づけを変えようとし、逃げだそうとするかもしれません。

滅多矢鱈に底なし沼に飛び込む必要はありませんが、あなたが本当に行きたいところがあって、その前に底なし沼があるとき、そのまま進んでゆきましょう。

何の防御もせず、コントロールも、回避もせずに。

これをアクセプタンスとかウィリングネスといいます。

苦悩はあなたの頭の中にだけにあり、それを信じているうちは、事実のように思い、現実にそこにあると錯覚します。

そんな時、目の前にあるものを、価値判断せず、自分の目をカメラのレンズのようにして、ありのまま見てみましょう。

きっと、不安も恐れもない単なる事実だけが見えるはずです。

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