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もし、自分を他人のように・・・
もし、友人が悲しみの中にいて、うちひしがれている時、
どうしようもなく不安を感じて、沈んでいる時、
自分をダメと決めつけて、落ち込んでいる時、
みなさんは友人に対して、どうするでしょうか。
きっと、悩みを聞いたり、励ましたり、勇気づけたり、あるいは何もできないけれど一緒にいてあげたり、そんなことをするでしょう。
そうすることによって、友人は落ち着きや現実を見つめる目、勇気、自信を取り戻すこともあるでしょう。
みなさんは優しい人ですから、友人に対してはきっとそうするでしょう。
あなたに何もできない時、言うことすらできない時でも、きっときっと優しい目で見守ることでしょう。
では、あなた自身がそうなった時、どうしていますか?
たぶん・・・
「自分はろくでなしだ」
「情けないやつだ」
「惨めなやつだ」
「なんて弱虫なんだ」
「死んでしまえばいいのに」
と、自分に言い続けていることでしょう。
それどころか、過去の経験のうち、この言葉に合う証拠や体験だけを拾い上げて、ますます「ダメだ」ということを証明していませんか?
もし、これを先ほどの友人にずっと耳元で囁いたら、どうなると思いますか?
友人のいいところはきれいにスルーして、惨めな状況のみを取り出して、「こんなこともあった、あんなこともあった」と証拠を突きつけたらどうなるでしょうか?
そう、あなたは、人に対しては励ましたり、安心させたりできても、自分に対しては、もっと絶望することを耳元どころか、頭の中で囁き続けているのです。
それも自動的にそうしてしまうのです。
たちが悪いことに、頭の中の囁きは、あたかも事実のように感じてしまうのです。
これでは、ますます惨めになってしまうばかりです。
私たち人は、他人に対しては許しや慈しみを持ったり、安心を与えたりはできても、自分に対しては、絶望や惨めさを与えてしまいがちなのです。
そんな時、自分を友人だと思って、その友人を慰めるように、自分を扱ってみたらどうでしょうか?
こういうことに気がつくのとつかないのとでは大きく違いますよね?
レベル2で学ぶこと ~ 人生に使う
レベル1では苦悩についてその正体を調べ、その対処法について述べてきました。
日常生活で苦痛に出くわし、それが苦悩になる前、なった後も
思考との分離やマインドフルネス、ラベル剥がし、アクセプタンスなどさまざまなスキルですり抜けることができるでしょう。
これらは、あなたが思考や感情をコントロールしたり回避したりしてきたこととは全く違う種類のものです。
しかし、今やあなたはこれまでとは全く違う対処法を使って何をするのでしょうか?
これまでのセラピーは、いつもここまでのものでした。
「さあ、あなたにはいろいろとスキルを教えた。
今、それが上手く使えるようになった。よし、これからも頑張るんだぞ」
こうやってセラピーが終了していたはずです。
あなたは、一体これらのスキルを何に使うのでしょう?
これまで苦悩のためにあなたができなかったこと、歩みたくても歩めなかった人生、
なりたくてもなれなかった自分のために使いたくはありませんか?
自己啓発 ~ 迷信の迷路
これを読んでいる多くのみなさんは「自己啓発本」を読んだり、
「自己啓発セミナー」に参加してきたりしてきたことでしょう。
その内容は、今も昔も衣は替わっても中身は同じ、というものです。
たとえば・・・
思考や感情をコントロールする
・ ポジティブ思考を持つ
・ 嫌なことは考えないようにする
・ 気分をよくしてから行動する
・ ありありと願望が実現した状態を思い込む
などです。
これらに長期的な効果がないことはみなさんもお分かりだと思います。
ポジティブ思考を持てば、同時にネガティブ思考も持つことになります。
そもそも「ポジティブ」「ネガティブ」ということ自体、単なる『評価』であり、
自分の頭の中にある思考を評価で色分けして、
不快と感じたものを都合よく取り去ることなんてできないのです。
「嫌」と評価したことを考えないでおこうというのは、
「赤い象を考えるな」という心理ゲームと同じで、考えないようにするとますますそれにとらわれます。
何か行動するときに、「まず気分をよくしてから」と考えがちですが、
思考や感情というものは、移ろいやすいものです。
行動が思考や感情に支配されているとするならば、
その人の行動そのものは非常に移ろいやすいものとなるでしょう。
思考や感情はみなさんそれぞれが生み出したものです。
自分が生みだした思考や感情に支配されるとなると、
みなさんの人生はみなさんのものではなく、思考や感情に支配されたものとなってしまいます。
ありありと願望が実現した状態を思い込む時、
現実から隔離された部屋で、現実を見ないで済むように目を閉じ、自分の妄想に浸ることです。
妄想に浸っている間は気持ちがいいものですが、目を開けると、そこには現実があるのです。
このように、思考と一体化する状態を「フュージョン」といい、単なる思考を事実として、自分自身として信じてしまう状態です。
そして、フュージョンは単なる「苦痛」を「苦悩」にまで変えてしまい、
今ここにない時間、つまり、未来(不安など)や過去(後悔など)にとらわれ、
今できることができなくなるのです。
しかも、自分自身に対してもラベリング(「意気地なし」「どうしようもない」「情けない」というラベルを貼ること)し、
ラベル通りの自己を演じるだけではなく、過去の出来事をつなぎ合わせてストーリーを作り出し、
そのストーリーを無条件に信じ、これからもストーリー通りの自分を演じようとしさえします。
みなさん、よく分かって欲しいですが、
思考や感情をコントロールして成功したことがありますか?
確かに一時的にはホッとしさえするでしょう。
しかし、長期的に見ると同じ状況で同じことをしているだけなのです。
つらくなると酒で気分を紛らわせることと大した違いはないのです。
同じことを繰り返すということ自体、
そのやり方には効果がない
ということなのです。
『これまでと同じことをやり続けるならば、
これまでと同じものしか手に入らない』
あるいは、みなさんは、ありありと思っただけで夢が叶うと本気で信じていますか?
それはオカルトであり、魔法を求めているのです。
そんなもので叶うなら、この世界はみんな魔法使いだらけではないですか。
こんなことは、もう何万年も人が妄想し続けてきたことです。
この世には魔法は存在しません。
思考や感情に支配された自分を変えることなく、
世界や他人を変えようとすることほど苦悩に満ちたものはないのです。
なぜなら他人や社会をコントロールすることはとても困難だからです。
コントロールできないものをコントロールしようとするとき、
苦悩が発生します。
アメリカの断酒会で使用されているプログラムでは、こんな祈りから始まるのです。
『神よ、与えたたまえ。
変えられないものを受け入れる心の平静を、
変えられるものを変える勇気を、
そして、違いを知るための知恵を。』
むしろ、考え方、あるいは物事との関わりを根本的に変えることこそ、
たぶん、あなたは活き活きとした人生を歩むきっかけとなるのです。
既読・・・
私はよくLineを使います。
Lineは文字のみならず、音声や画像もすぐに送れますし、グループ内で会話もできます。
とても便利です。
とりわけ、Lineでメッセージを送って相手が読むと
「既読」
という文字が表示され、相手が読んだかどうかそれによって分かります。
この既読をめぐって、いろいろな問題も生じています。
たとえば、
メッセージを送って既読」が付いているにもかかわらず、返事がない
というような場合、みなさんはどう思うでしょうか。
こんなところではないですか?
どうして返事を返してくれないのか
私のこと無視しているのではないのか
私の何が悪くてこんな仕打ちをするのか
・・・・・と際限なく、頭の中でいろいろな想像をします。
始末が悪いことに、その想像を現実だと信じてしまうことです。
ここで事実と事実でないことを分けてみましょう。
事実は、
画面上に「既読」という文字が表示された
ただそれだけです。
これで相手が読んだかどうか分からないです。
読んだかも知れないし、読んでいないかも知れないです。
ここで、
読んだにちがいない
と信じてしまうと、「どうしてだ」と思うのです。
そもそも
ちがいない
という言葉は、
確認していないが、一方的にそう信じ込む
という言葉の記号です。
かりに相手が読んだとして、今度は
どうして返事を返さないのか
ということを想像します。
この思考の奥には
私がメッセージを送ったら返事は返すべき
という「べき思考」があることに気がついてください。
べき思考は自分だけのルールであり、自分だけのルールを相手に拡張しても、
当然、相手は自分のルールと違うルールで動いていますから、そのルールは自分の思い通りにはなりません。
しかし、
返事を返すのは社会人としてのマナー、常識!
という自分だけのルールがあたかも社会一般のルールとして信じ込むと、
返事をしない相手はとてつもなくひどいやつのように思うのです。
自分が思うように相手をコントロールはできないのですし、自分のルールを押しつけても
相手はそのように動きません。
このようにコントロールできないものをコントロールしようとすると必ず苦しみます。
返事をしないのは、
きちんと読んでいないからかも知れないし
心身状態によって返事ができない状態かも知れないし
嫌っているかも知れないですし
それはいくら想像しても分からないことです。
想像、つまり、「既読」という表示を見て、そこからさまざまに想像して、その想像に対して反応しているだけなのです。
相手そのものに反応しているのではなく、自分の思考に反応しているだけなのです。
「既読」という文字を見て、想像を膨らませ、想像から生ずる新たな思考や感情に反応しているだけなのです。
本当に大切なメッセージならば、返事がないときは電話する、会いに行くなど方法を変えた方がいいかもしれないですね。
そして、事実として嫌われているなら話し合い、それでも嫌っているならどうしようもないです。
嫌う相手に
嫌わないでくれ
とお願いしたところで、それをどうするかは相手が決めることですから。
それは自分にも当てはまることです。
自分の思考に反応していることに気がついたら、事実を確かめ、その上で適切な行動を選択することはとても大切なことだと思います。
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四谷怪談 ~ あるセラピストの話
今日は、私の愚痴っぽいものを・・・申し訳ないです。(^^)
ただ、どちらが悪者かという話ではなく、友人の話から思ったままを書いています。
最近は「怪談もの」はあまり見かけなくなりましたね。
昔は映画で四谷怪談や累ヶ淵、牡丹灯籠などがありました。
最近のホラーを見慣れた私にとっては、物足りなく感じますが、それでも独特の雰囲気があります。
先日、こんな相談を持ちかけられました。
友だち「最近、私は嫌われているみたい」
私「ふーん。どうして嫌われていると思ったの?」
友だち「○○さんと昔トラブルになって、今だに○○さんが私と付き合う人に『あの人はひどい人よ』と言って、仲間はずれをするようにいろいろとやっているみたい」
私「えっ!?○○さん?表面的には物わかりが良く、面倒見がいいように見えるけれど・・・」
いろいろと聞いて調べてみると、トラブルというものは一方的な○○さんの思い込みであり、
さまざまな理由づけや自らの価値観、常識などで補強された
『自分だけの正しさ』
で、
友だちを「悪い」
と裁き、いろいろな形で吹聴し廻っていたことが分かりました。
『自分だけの正しさ』で武装した人ほど怖いものはありません。
何せ、正しいと信じ込んでいるのですから、
人の言うことにも耳を傾けず、
仲間を募り、
「敵」を滅ぼすためにはさまざまな手段を講じるのです。
そして、トラブルとは全く関係のないのに「正しさ」を錦の御旗のように振り回して尻馬に乗ってはやし立てている茶坊主の手合いも発見しました。
時間が経つにつれて、○○さんの妄想は膨らみ、見えない敵、自分だけの敵と戦っているような感じさえします。
こんな滑稽なことがありました。
トラブルとは関係のない共通の友人Aさんの書き込みに対して、Aさんの書き込みがどんなに良くても、先に友だちが「イイネ!」を押していると決して○○さんはその後に「イイネ!」を押していないのです。
小さなことですが、一つ残らずそんなことをしているのを見て、その執念に驚きました。
みんなに無視をしようと呼びかけながら、このような形でとても執着して意識していることが分かり、心の闇を見たような気がしました。
つまり、○○さんにとっては、そもそもトラブルとは全く関係のないAさんのことはどうでもよく、自分の好き嫌いを優先する人のようです。
このような人は、判断の基準が「私のモノ」か「私のモノでないか」しかなく、私のモノを守るためには涙ぐましいほど必死の努力をする一方、私のモノでない者に対してはどんなことでもできるのです。
何よりも人を見ているようでその人を通じて自分しか見ていない人なのです。
四谷怪談では、伊右衛門がお岩の亡霊と戦うシーンがあります。
伊右衛門にとってはお岩の亡霊は実在ですから恐怖を感じるのですが、周りにいる人にとっては伊右衛門が滅多矢鱈に刀を振り回しているだけなのです。
当の本人はその刀を
「正義の剣」
と思い込んでいることがどうしようもないのです。
自分だけの妄想でおびえてくれたらいいのですが、刀を振り回すのは迷惑にもほどがあります。
まさに、「自分だけの正義」という目隠しをするとこのようになります。
目隠しをすると自分自身の内面が見えるのです。
まずは、自身の心の亡霊を祓わないとダメですね。
信じられないことに、この人がセラピストを自称していることに驚きを禁じ得ませんでした。
治療が必要なのは○○さんだろ、と友だちに言いそうになりましたが、そこはじっと我慢。(^_-)
でも本当に悩んでやってくるクライアントに対してどんな「セラピー」をしているのか、
とても気になるところですよね。
友だちには
「放っておきましょう。この人は自分がやっていることが見えないのです。
別に好かれる必要もないですし、この人がやっていることは周りの人も見ています。
素晴らしい人を演じながら自分がどんなことをしているのか見えないのですが、人はこの人を見ています」
とアドバイスをしました。(^_-)
いったん
「正しさ」
「正義」
で武装すると、自分の行動すら見えなくなるというものは恐ろしいことです。
私自身も友だちのこの話を戒めとしたいものです。
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本当に活き活きと過去生きてきたのか、今も生きているのか、
自分は一体何をしたいのだろう、自分と対人、対社会との関係はどうなんだろうか、と。
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