私たちは絶対に悩みをなくすことはできない

悩みをなくすことはできませんが、不必要な苦しみを減らすことは可能です。
人生には苦しみはつきもので、それを完全に無くすことはできません。 生きている限り、病気、老い、死、愛する人との別れなど、避けることのできない苦しみは必ず訪れます。 これらの苦しみは人生にあらかじめ組み込まれており、私たちがどんなに努力しても完全に排除することはできないのです。
しかし、多くの人の苦しみは、これらの避けられない苦痛そのものよりも、苦痛に対する私たちの反応から生まれる「苦悩」によるものであるとされています。 私たちは、これらの苦痛に対して、

● 避けようとしたり、
● 否定しようとしたり、
● コントロールしようとしたり

することで、かえって苦しみを増大させているのです。
科学的な手法を用いることで、この苦悩を減らし、より穏やかな人生を送ることが可能になります。 具体的には、「実体」と「妄想」を区別することが重要です。

● 実体: 他人からも観察可能なもの、出来事。本来的に意味はない。
● 妄想: 他人から観察不可能なもの。脳内で発生する思考、感情、身体感覚など。

私たちは、妄想である思考や感情に囚われ、それらを実体であるかのように錯覚することで苦悩を生み出します。

例えば、
● 「不安」を感じること
● 「自信」や「やる気」がないと感じること
● 「嫌な人」だと感じる人がいること
● 怒りや悲しみなどの感情
● 過去の出来事に対する後悔
● 未来に対する不安

これらは全て、私たちの脳内で作り出された妄想であり、実体ではありません。

ニューヒューマンと呼ばれる人たちは、思考や感情が脳内で作り出された妄想であることを理解し、それらに支配されずに生きることを目指しています。 科学的な手法を用いて苦悩から解放され、人生における真の目的を見出すことを目指しています。
ニューヒューマンになるための具体的な方法としては、以下の様なものがあります。

● デ・フュージョン: 妄想と距離を置き、それが妄想であることに気づく
● アクセプタンス: 妄想を完全に受け入れる
● マインドフルネス: 「今、ここ」に意識を集中し、思考や感情をありのままに観察する
● ライフ・バリュー (人生の価値・生きる目的) の発見:

これらの手法を身につけることで、思考や感情に振り回されることなく、より自由で穏やかな人生を送ることができるようになるとされています。

人はなぜ悩み、これからどのように抜け出すのか

人が悩む理由の一つは、実体妄想を区別できないからです。
実体とは、他人からも観察可能であり、意味を持たない出来事や事象のことです。一方、妄想とは、他人からは観察不可能な、脳内で発生する現象の総称です。思考や感情、記憶、衝動、理由づけ、イメージ、未来や過去への想像、比較、評価、意味づけなどがこれに該当します。

多くの人は、妄想を実体と信じ込むことで、不必要な苦しみを生み出しています。
例えば、電車の中で足を組んだ人の足が隣のある男性に触れてしまったとします。そして謝りもせず知らん顔をしているとき、その男性は腹が立ちます。
しかし、「足が触れた」という事実は実体ですが、「無視された」「本心で謝っていない」「反省がない」といった解釈や評価は妄想です。
その男性が妄想を実体と信じ込み、「怒り」という反応を選ぶことで、さらなる苦しみを引き起こしているのです。


妄想から抜け出す方法

苦悩から抜け出すには、科学的な手法を用いて実体と妄想を切り分け、妄想に振り回されない生き方を身につける必要があります。以下の方法を実践することで、それが可能になります。

1. デ・フュージョン

妄想を事実として受け止めることを「フュージョン」といいます。妄想と距離を置き、冷静に観察する技術が「デ・フュージョン」です。瞑想や呼吸法、五感を意識するエクササイズなどを活用し、思考や感情を客観視することで、それらに巻き込まれない自分を作り上げます。
例:怒りを感じたとき、「私は怒りを感じている」とそのまま受け止めることで、怒りに支配されることを防ぎます。

2. アクセプタンス

妄想や苦痛をありのまま受け入れる力です。妄想を否定したり、無理に消し去ろうとすると、逆に苦しみが増幅します。妄想が存在することを認め、それと共に生きることを受け入れることで、心に平安が生まれます。

3. ライフ・ヴァリュー(人生の価値・生きる目的)に基づいた行動

悩みから解放された後、あなたにとって本当に大切なことを見出し、それに向かって行動を起こします。
ライフ・ヴァリューは、感情ではなく、行動によって示されるものです。これは北極星のようにあなたの進むべき方向を示し、生き方の羅針盤となるでしょう。


ニューヒューマンの生き方

これらの方法を実践することで、思考や感情に振り回されず、自分らしく活き活きと人生を歩むことができます。これが「ニューヒューマン」としての生き方です。ニューヒューマンとは、苦悩や執着から解放され、地球や他者、宇宙と調和した生き方を実現する新しいタイプの人間です。

ニューヒューマンになることは、すぐには難しいかもしれません。しかし、その過程であなたは自分の悩みや苦しみを成長の糧として捉え、乗り越える力を身につけていけるのです。


科学に基づく解決の力

これらの方法の根底には、科学への信頼があります。オカルトやスピリチュアルといった非科学的な方法ではなく、実証的で合理的な手法を用いることで、より確かな結果が得られるのです。ディフュージョンやアクセプタンスは、心理学の知見に基づいて開発され、実生活での応用が容易です。


「どうでもいい」という自由

最後に、「どうでもいい」という態度を身につけることも重要です。これは、すべてを放棄する無関心ではなく、執着やこだわりから解放されるための態度です。デ・フュージョンやアクセプタンスの究極的な形であり、ある種の「悟り」ともいえる状態です。この態度を養うことで、心の平安と自由を手に入れることができるのです。


今すぐ始められること

私たちの指導書「愚かなサルどもへ」で示されるこれらの考え方は、セミナーやワークショップを通じて具体的に学ぶことも可能です。あなたが今抱えている悩みや苦しみは、これらの手法を実践することで確実に軽減し、解決への道が開けるでしょう。
さあ、一歩を踏み出しましょう。ニューヒューマンへの道は、あなたの中にこそあります。

心の苦しみを克服するための具体的ステップ

私たちが伝えたいテーマ

1. ニューヒューマンとは?

私たちは、古い考え方を変えて、新しい考え方で苦しみから解放された人間を目指しています。この新しい考え方を「ニューヒューマン」と呼んでいます。例えば、ニューヒューマンになるためには、他人と比較することをやめ、自分自身の価値を認めることが必要です。また、過去の後悔や将来の不安に囚われず、今この瞬間に集中することも大切です。さらに、自分だけでなく、周囲の人々や社会全体に対して貢献することを目指し、積極的に行動することもニューヒューマンの一つの特徴です。

2. 妄想と現実を区別する

私たちは、心の中の思考や感情は、あくまで脳が作り出した「妄想」であり、現実の「実体」とは違うことを強調しています。例えば、試験前に「失敗したらどうしよう」と不安に感じることは妄想です。それが実際に起きているわけではありませんが、その思考によってストレスを感じたり、行動に影響を与えたりするのです。

3. 自分への執着を捨てる

「自分」という考えにこだわるのをやめて、すべてのものがつながっているという「ワンネス」の考えを持つことが大事だとしています。

4. 科学的に考える

私たちは、宗教や迷信やスピリチュアルに頼らず、科学に基づいて心の苦しみから解放される方法を提案しています。

5. 死を受け入れる

死は避けられないこととして受け入れ、残された人生をより豊かに生きることが大切だと考えています。

重要なアイデアと事実

1. 苦しみの原因

私たちは、人間の苦しみは痛みそのものではなく、それに対する考えや感情が原因だと説明しています。

「多くの人の苦しみは、痛みではなく、その痛みに対する心の反応によるものです」(ホームページ「心と人生の自由を取り戻す」https://v-d-s.net/

2. 妄想の特徴

妄想は現実と区別がつきにくく、人の行動を左右し、今の状態を変えたくないと思わせる力があります。

「古い考え方を持っている人は、妄想と現実を区別できず、簡単に妄想を現実だと思い込んでしまうのです。」(指導書「愚かなサルどもへ」から)

3. 焦点の幻想

短期的な解決策にばかり目を向けて、長期的な視点を見失うことに警鐘を鳴らしています。

「経験からそれが無駄なことだとわかっていても、つい同じ行動を繰り返してしまうのです。」(指導書「愚かなサルどもへ」から)

4. デ・フュージョンとは?

妄想と現実を切り離し、妄想に支配されない状態になることを目指しています。

「デ・フュージョンによって、妄想と現実を切り分けていきましょう。」(指導書「愚かなサルどもへ」から)

5. マインドフルネス

呼吸に集中し、「今ここ」に意識を向けることで、妄想から離れる方法を紹介しています。

6. ライフ・ヴァリュー(人生の価値)

人生で何を大事にするか、その行動の基準を見つけることが大切です。具体的には、次のようなステップを取ることが役立ちます:

  1. 自分にとって大切な価値を書き出す(例:家族、健康を大切にするなど)。
  2. その価値に基づいて、どのような行動がそれを支えるかを考える。
  3. 毎日の行動計画に、その価値を反映させる。
  4. 定期的に自分の行動を見直し、価値と一致しているか確認する。

「生きる中で、あなたは何をしたいのですか?」(指導書「愚かなサルどもへ」から)

7. 社会への貢献

「ニューヒューマン」はカルトや宗教のように内に籠るのではなく、積極的に社会に参加し、何か役立つことをし、人類に貢献するべきだと考えています。

私たちの考え

現代の人間の苦しみの原因は、心の中の思考や感情、つまり「妄想」にあると考えています。

例えば、将来の不安や過去の後悔といった思考は現実には存在しないにもかかわらず、私たちに大きなストレスや苦しみをもたらします。

このように、妄想は現実とは異なるのに、その影響力が強く、私たちの感情や行動を支配してしまうのです。私たちは、科学的な考え方と東洋の知恵を組み合わせて、新しい人間像「ニューヒューマン」を提案しています。死を受け入れること、自分への執着を捨てること、すべてのものがつながっているという意識を持つことは、仏教の考え方にも通じるところがあります。

私たちの結論

古い考え方から抜け出し、科学的な方法と自己改革を通して、より自由で豊かな人生を送るための指針を示しています。皆さんには、自分の考え方を見直し、妄想にとらわれず、主体的に人生を作り上げていくことの大切さを知ってほしいと思っています。

人類はがん細胞のような存在?

人類の歴史と地球への影響

私たち人類は、これまでの歴史を通じて地球環境を破壊し、互いに争ってきました。こうした行動は、人間の本質に根ざしており、何十万年経っても変わっていません。この行動を振り返ると、「人類はがん細胞のような存在だ」と言えるかもしれません。

このような人類を「愚かなサルども」と呼んでいます。

私たち愚かなサルどもは地球にとって必ずしも必要な存在ではなく、私たちがいなくても地球や宇宙は存続し続けます。地球から見れば、人類がいなければ自然はより速く回復し、地球自体は存続し続けるのです。

焦点の幻想と人類の無責任な態度

私たちは短期的な利益や快楽を追求し、地球環境の破壊や自滅的な行動に目を背けてきました。「焦点の幻想」とは、大切なことに目を向けず、誰かが何とかしてくれる、何とかなるだろうという根拠のない信念を指します。このような考え方が、今の混乱した状況を引き起こしているのです。例えば、環境問題や社会的不平等についても、多くの人が「誰かが解決してくれるだろう」と期待し、自分では行動しないことがその一例です。

地球と共生する「ニューヒューマン」

では、こうした破壊的な行動をどうやって変えることができるでしょうか?その答えが「ニューヒューマン」としての生き方です。「ニューヒューマン」とは、地球と共に生き、自然や他の生き物すべてとのつながりを理解して行動する、新しい人類の在り方です。これによって、地球にとって必要な存在として進化することができます。この進化を怠れば、人類は淘汰され、地球の荒廃や内戦によって滅びる危機にさらされるでしょう。

私たちの考えは、ホームページで確認してください。

私たちが「ニューヒューマン」になることで、これまで感じてきた悩みや苦しみが相対化され、もっと大きな視点で生きる意味を見つけることができます。また、自分の行動が環境保護や社会の調和に役立っているという実感が得られ、持続可能な選択をする意欲が高まります。こうすることで、自分が地球や社会の未来にとって価値のある存在だと確信することができます。科学的な知識を信頼し、物質的な価値にとらわれず、宇宙や生命とのつながりを深めることが重要です。

行動の指針としての「こだわらない心」

ニューヒューマンになるためには、執着や幻想を手放す「こだわらない心」が必要です。これはあらゆる苦しみや自己中心的な考えを超越するものであり、他人や自分との隔たりをなくすための重要な考え方です。「こだわらない心」とは、無責任や無関心ではなく、本当に役立つことを基準に行動し、無駄なこだわりに振り回されず、現実に基づいて行動を選ぶ姿勢を指します。

例えば、誰かと意見がぶつかったり、困難な状況に直面したとき、それを「自分」というフィルターを通さず、客観的に観察することが大切です。このような自己変革を通じて、私たちは社会に貢献し、より良い未来を作る一員となることができます。

新しい未来への一歩

人類ががん細胞のような存在であるという厳しい現実を直視しながら、私たちは「ニューヒューマン」として新しい未来を目指す必要があります。それは、地球と共生し、自分自身と自然のすべてがつながっていることを理解することから始まります。誰かに頼るのではなく、現実をしっかりと受け止め、役に立つ行動を取り続けることで、私たちの存在の価値を見つけることができるでしょう。

「愚かなサルども」としての限界を超え、新しい生き方を模索することで、ようやく地球と調和した未来を築く道を歩み始めることができるのです。

私たちはそれを提供します。

まずは「自己変革のための生まれ変わりセミナー」で自らの考え方や行動を見つめなおしてみましょう。

脳が生み出す現実とは?メタ認知の力

皆さんは、私たちが日々感じたり見たりしている「現実」が、そのままの姿だと思っていますか?実は、私たちの脳は外からの情報をただ受け取るだけでなく、それを解釈し、自分なりの「現実」を作り上げているのです。今回は、脳の思考プロセスがどのように私たちの現実認識に影響を与えているのかを、高校生の皆さんにもわかりやすく説明していきたいと思います。

◆ 脳がつくる「現実」とは
私たちの五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)は、外の世界からさまざまな情報を集めています。しかし、その情報をそのまま受け取るのではなく、脳は過去の経験や信念、文化的な背景をもとに、それらを解釈しています。つまり、同じ出来事や状況でも、人によって感じ方や捉え方が異なるのは、脳がそれぞれの「現実」を作り出しているからなのです。

例えば、雨が降っている日を考えてみましょう。ある人は「雨で憂鬱だな」と感じるかもしれませんが、別の人は「植物が喜んでいるだろう」と前向きに捉えるかもしれません。この違いは、脳がその出来事に対してどのような意味づけをしているかによるものです。

◆ 意味づけの力
物事そのものには、本来、特別な意味はありません。私たちがそれに対して意味や理由を与えているのです。クラスメートが自分を見て笑っていたとします。そのとき、「自分のことをバカにしているのかな」と不安になる人もいれば、「何か面白い話でもあったのかな」と特に気にしない人もいます。このように、私たちの解釈が感情や行動に大きな影響を与えています。

しかし、多くの場合、私たちは自分の解釈が「真実」だと思い込んでしまいます。その結果、ネガティブな感情にとらわれたり、誤った判断をしてしまうことがあります。

◆ メタ認知の大切さ
自分の考え方や感じ方が絶対的な真実ではなく、一つの見方に過ぎないと気づくことが重要です。これを助けてくれるのが「メタ認知」という能力です。メタ認知とは、自分の思考や感情を客観的に観察することを指します。

例えば、テストで思ったよりも悪い点数を取ってしまったとき、「自分はダメな人間だ」と感じるかもしれません。しかし、メタ認知を働かせて「これは一時的な結果であり、次は頑張ればいい」と前向きに捉えることができます。このように、自分の思考や感情を一歩引いて見つめることで、冷静な判断ができるようになります。

◆ 思考と事実を区別する
脳が生み出す考えや感情を「事実」と混同しないようにすることも大切です。例えば、「友達が今日はあまり話しかけてこなかった」という事実と、「自分は嫌われているのかもしれない」という考えは別物です。この区別ができると、ネガティブな感情に振り回されずに済みます。

事実と解釈を分けて考えることで、冷静に状況を判断し、適切な行動を取ることができます。友達が話しかけてこなかった理由も、単に忙しかっただけかもしれませんし、他に考え事をしていたのかもしれません。

◆ 脳の予測機能と未来への影響
脳は過去の経験をもとに未来を予測する働きがあります。これは「予測符号化」と呼ばれ、生きていく上でとても重要な機能です。例えば、熱いものに触れるとやけどをするという経験から、熱そうなものには近づかないようにする、といった予測を立てます。

しかし、この予測機能が過剰に働くと、不安や恐怖を感じる原因にもなります。過去に嫌な経験をした場所や状況を避けようとしすぎて、新しいチャンスや出会いを逃してしまうこともあります。

★ 解釈の力を上手に使うための方法
では、脳の解釈プロセスを上手に活用するにはどうしたら良いのでしょうか。以下にいくつかの方法をご紹介します。

  • メタ認知の練習日記をつける:自分の思考や感情を書き出し、それが事実なのか解釈なのかを振り返ってみましょう。これにより、自分の考え方のパターンや癖に気づくことができます。
  • 思考を一旦置く深呼吸やリラックス:何かにとらわれていると感じたときは、深呼吸をしてリラックスする時間を持ちましょう。今この瞬間に意識を集中させることで、過剰な思考から距離を置くことができます。
  • 信頼できる人と話す友達や家族との対話:自分の感じていることや考えていることを、信頼できる人に話してみましょう。新しい視点やアドバイスをもらえるかもしれません。
  • 客観的な視点を持つ自問自答する:何か気になることがあったら、「この考えは本当に事実に基づいているのだろうか?」と自分に問いかけてみましょう。感情に流されず、冷静な判断ができるようになります。


◆ まとめ
私たちの脳は、解釈を通じて自分なりの「現実」を作り出しています。その解釈が必ずしも正しいとは限りません。自分の思考や感情を客観的に見つめることで、偏った認識から自由になることができます。

脳の力を上手に使って、自分の感じ方や考え方をコントロールできるようになると、より豊かで充実した人生を送ることができるでしょう。日々の生活の中で、ぜひこれらの方法を試してみてください。

日常の怒りとデ・フュージョン技術

日常の怒りの原因

日常生活で、私たちはいろいろな場面で怒りを感じることがあります。でも、その怒りがわき上がる瞬間を冷静に観察してみると、多くの場合、それは対象そのものから生じているわけではないことに気づきます。ほとんどの場合、私たちは怒りの対象に対して意味を付けたり解釈を加えたりして、その結果、自分で怒りを強くしているのです。たとえば、過去の出来事を思い出してまた腹を立てたり、未来の不安や想像でイライラすることがあります。実際には、その怒りの対象は目の前にないのに、記憶や想像に反応して振り回されてしまうのです。

フュージョンとは

怒りの原因を「外」に求めて、そこに意味を付けることを「フュージョン」と言います。フュージョンとは、思考や感情と現実が混ざり合い、どちらが自分の頭の中の考えで、どちらが実際の出来事なのかが区別できなくなる状態です。たとえば、過去の嫌な経験を思い出して、それが今目の前で起きているかのように感じてしまうことです。この状態では、あたかも怒りの原因が外にあるように感じて、結果として怒りが増してしまいます。しかし、実際には私たちが見ているもの自体には何の意味もありません。世の中のすべてのものはただ存在しているだけで、その意味や評価は私たち自身が頭の中で作り出しているのです。

デ・フュージョンの技術

ここで重要なのは「デ・フュージョン」という技術です。デ・フュージョンは、私たちが感情や思考に飲み込まれず、冷静に状況を捉えるために必要なスキルです。この技術を身につけることで、感情に左右されずに自分の価値観に基づいて行動することが可能になります。

デ・フュージョンとは、頭の中で生まれる思考や感情と現実の出来事を切り離すことです。たとえば、嫌な思考が頭に浮かんでも、それを現実と結びつけないことです。この技術を使うと、私たちは頭の中で生まれた解釈や評価を事実と信じ込まずに、感情に流されず、状況を客観的に見つめることができるようになります。デ・フュージョンを実践することで、感情に振り回されることなく、仕事中に怒りが湧いてもその瞬間に必要な作業に集中し、適切な行動を選べる力がつきます。

デ・フュージョンの実践例

たとえば、誰かがあなたに冷たい態度を取ったとします。そのとき「嫌われている」と解釈すると怒りが湧くかもしれません。しかし、デ・フュージョンの視点で見ると、それはただ「あなたが冷たい態度を取っていると感じている」だけに過ぎず、それ以上の意味はありません。「嫌われている」と決めつけるのは自分の頭の中で生まれた解釈であり、現実ではないのです。

つまり、現実にあるモノや出来事には本来意味はなく、意味付けしているのはあなたであり、その意味付けによって不必要にストレスを感じることがあります。この世のモノには意味はなく、ただ存在しているだけです。たとえば、目の前のペンはただそこにあり、私たちがそれに意味を与えているのです。

この考え方を身につけることで、感情に振り回されることなく、自分の価値観に沿った冷静な行動が取れるようになります。

ニューヒューマンとしての生き方

「ニューヒューマン」とは、デ・フュージョンの技術を身につけ、思考や感情と現実の区別を自在に行える人のことです。ニューヒューマンは、友人関係のトラブルや職場でのプレッシャーといったどのような状況でも自分の価値観に従って行動し、周囲に振り回されることなく冷静な判断を下すことができます。たとえ困難な状況に直面しても、過去の失敗や未来の不安にとらわれることなく、今できることに集中することができます。ニューヒューマンとしての生き方は、心の自由と冷静な判断力を持ち、自分らしい人生を歩むための大きな力を与えてくれます。

セミナーのご案内

もし日常のイライラや感情に振り回されることなく、本当に自分が望む人生を歩みたいと感じているなら、ぜひ私たちの自己変革セミナーでデ・フュージョンを実践的に学んでみてはいかがでしょうか。

臨死体験が教える生の価値

死を意識することの重要性

私たちは皆、必ず死を迎えますが、普段どれくらいそのことを意識しているでしょうか。多くの人は死を遠い未来のことと考えていますが、実際には命がいつ終わるかは誰にも分かりません。明日も生きているかは誰にも分からず、人生は一度きりでやり直しは効きません。

死の恐怖から逃れるために、死後の世界や魂、神という観念を作り出してきましたが、これらの幻想は現実の生を曇らせることがあります。本当は、死の先には「無」が待っているという現実があるだけです。この避けられない事実を直視し、受け入れることが、充実した人生を生きる第一歩です。

ハイデガーの「死の先駆的覚悟

哲学者ハイデガーが唱えた「死の先駆的覚悟」は、死の存在を自覚することで初めて人は自分自身の人生を真に生きることができるとしています。死と向き合うことで、自分の限りある命の時間をより意識するようになり、これまでの人生を振り返り、本当に大切なものに集中することができます。その結果、私たちは自分の本質に立ち返り、心から納得できる生き方を選ぶことができるのです。この「死の先駆的覚悟」を持つことで、人生の一瞬一瞬がどれだけ貴重であるかを再認識し、充実感を持ちながら生きることができます。

さらに、死の存在を受け入れることにより、自分自身の限界を知り、それが自分の行動をより目的に向かわせる力となります。この覚悟は、人生におけるさまざまな選択や判断において、本当に価値があることに集中する手助けとなります。日常の些細な不安や恐れを乗り越え、本当に意味のある経験や関係性を築くことに専念できるようになります。また、この姿勢は、私たちが他者と接する際にも現れ、深い共感や思いやりを持った行動が可能になります。死の現実を見据えることで、人生の意味を再発見し、深い満足感とつながりを感じながら日々を送ることができるのです。

臨死体験と生きる意味

死を真剣に考えることは、生きる意味を見つめ直す重要な機会です。臨死体験を通じて死を仮想的に体験することで、生の一瞬がどれほど貴重かを再認識できます。こうした体験を通じて、日々見失いがちな大切なことに気づき、今をより大切に生きることができます。臨死体験は私たちに、自分がどれだけ多くの時間を無駄にしてきたか、そして本当に大切なものは何であるのかを鮮明に理解させてくれます。この理解を通して、私たちはこれまで無意識に過ごしていた日常の一瞬一瞬を新たな目で見つめることができるようになります。そして、それは単なる気づきにとどまらず、実際の行動にも反映されるようになります。たとえば、家族や友人との時間をこれまで以上に大切にし、自分が情熱を持って取り組めることにもっとエネルギーを注ぐようになります。また、過去の失敗や未練を引きずることなく、今の瞬間を充実させることができるのです。こうした姿勢が、私たち自身の幸福感を高めるだけでなく、周囲の人々との関係性をも向上させ、共により良い人生を築く力となります。

死後の世界と「今」を生きること

死後の世界や魂の存在に対する考え方は、私たちの生き方に大きな影響を与えます。
私たちは科学的に考えたうえで死後は全くの「無」であるととらえています。
死後の世界も救済も神も仏も何もない全くの「無」です。
死を「無」として受け入れることで、私たちは無駄な幻想にとらわれることなく、より純粋に「今」を生きることができます。死後の世界の幻想は、死の恐怖から生まれたものであり、それによって私たちは現実の「生」を見失ってしまうことがあります。こうした幻想は、不安や恐れを和らげる一方で、私たちが現在の生を十分に生きることを妨げることがあります。死という避けられない事実を「無」として受け入れることで、私たちは幻想や妄想から解放され、今という瞬間に集中することができるのです。この姿勢は、人生の各瞬間をより豊かに、意味深いものとする手助けとなります。

「無」に帰るという現実を受け入れることは、私たちにとって非常に重要な転機となります。この考え方は、過去や未来にとらわれずに、目の前の出来事や経験に全力で向き合う姿勢を育てます。それにより、私たちは人生の中で本当に大切なものに気付き、価値を見出すことができるのです。こうして、日々の些細な出来事や、人とのつながりをより大切に感じ、人生全体の質を向上させることが可能になります。死を受け入れることは、ただ消極的に受け止めるのではなく、私たちの生を積極的に活かすための鍵となるのです。

自覚を持って生きる

「死の自覚」を持つことで、私たちは今この瞬間を無駄にせず、本当に意味のある行動を選び取ることができます。死から逃げずに向き合うことで、私たちは執着や妄想から解放され、より自由で豊かな人生を生きられます。死という不可避な事実に向き合うことは、私たちに勇気を与え、これまでの価値観を見直し、日常の何気ない瞬間に深い感謝と意義を見出す手助けとなります。この過程を通して、自分の存在意義や、何が本当に大切であるかを再確認することができ、結果として他人との関係性もより深いものになります。死の現実を受け入れたとき、私たちは他者に対してもより優しく、思いやりを持って接することができるようになり、そのことがまた、私たち自身の生をより豊かなものにするのです。

セミナーのご案内

私たちのセミナーでは、臨死体験瞑想や「死を通じて生を見つめる」プログラムを提供しています。これらのプログラムは、死という避けられない現実を深く理解する機会を提供します。こうした体験を通じて、本当に大切なものを再認識し、人生をより意義あるものにできます。

この機会に、ぜひ私たちのセミナーに参加し、「死を通じて生を見つめる」時間を過ごしてみてください。死の現実を受け入れることで得られる新たな生きる力と深い満足感を、私たちと共に体験しましょう。

やる気がない時の行動選択

思考と感情に左右されない行動

多くの人は「やる気がないから動けない」「気分が乗らないから今日はやめておこう」といった理由を使い、行動しないための言い訳にしています。しかし、これは単なる言い訳、理由付けにしか過ぎません。実際のところ、思考や感情は行動を支配しません。行動が本当に不可能なのは、物理的にできない場合に限られます。

例えば、「足を骨折したから歩けない」というのは物理的な制約です。一方、「やる気がないから外に出られない」というのは思考や感情が理由の制約であり、実際には行動することが可能です。このように、物理的な制約と感情の制約は全く異なります。例えば、気分が乗らなくても、友人との約束があれば外出することができる場合もあるように、感情が行動の絶対的な制約ではないことが分かります。これは「できない」と「しない」の混同です。

布団に横たわっている状況でも、急に火事が起これば、どんなに気分が乗らなくても飛び起きて外に出るでしょう。つまり、行動は思考や感情に関わらず選択できるのです。もちろんやる気があって行動できるのは望ましいですが、やる気が出るかどうかはその時々の感情次第です。やる気が出るのを待ってからしか行動できないのならば、感情をコントロールすることが必要ですが、感情を完全にコントロールするのは難しいものです。そもそも思考や感情をコントロールすることが苦悩を深めることを、これまでブログで書き続けてきました。まさにそのことを言ってるのです。

自分への問いかけと行動の選択

思考や感情に対する誤解を解くために、「やる気がないからできない」と感じたときには自分に問いかけてみてください。「例えば、過去にやる気がなくても行動した結果、うまくいった経験はないか?」といった具体的な成功事例を思い出し、それを参考に行動することで、より実践的に行動できるようになります。また、「これは本当にできないのか、それともやらない選択をしているだけなのか?」と問いかけることも有効です。ほとんどの場合、物理的な制約がない限り、やらないのではなく、やろうとしないだけです。このように行動に対する認識を変えると、思考や感情に左右されず、自分の意志で行動できる可能性が広がります。

思考や感情を受け入れて行動する

実際、思考や感情が行動を制約することはありません。それらを意識しながらも行動することは可能です。例えば、気分が乗らないときでも短時間だけ作業を始めてみる、あるいはタスクを小さく分けて一つずつ取り組むなど、具体的な行動方法があります。「やる気がない」と感じるときや「気分が落ち込んでいる」と思うとき、その感情を受け入れつつ(これまでのブログに書いていたように、これをアクセプタンスといいます。完全に受け入れることです。)も価値ある行動を選び続けることができます。このような行動は、思考や感情を避けたり変えたりするのではなく、それらを抱えたまま、つまりアクセプタンスしたまま前に進むという選択です。

これを繰り返すことで、私たちは思考や感情と適切な距離を取ることができ、感情に振り回されずに価値に基づく生き方が可能になります。

「ニューヒューマン」とは何か

多くの人は、思考や感情に振り回されて行動が制限されていると感じていますが、実際にはこれらは単なる脳の反応に過ぎず、私たちを支配するものではありません。感情はそのままにして行動することで、どのような絶望的な感情があっても、やるべきことを選び取ることができます。

私たちの目指す「ニューヒューマン」とは、このように思考や感情の影響を受けつつも、それに支配されることなく、自分の価値に基づいた行動を選び取る人です。例えば、仕事でプレッシャーを感じても自分の目標に向かって一歩ずつ行動を続けたり、ストレスを感じながらも家族との時間を大切にするなど、感情を抱えながらも価値に沿った行動を選び続ける姿勢が「ニューヒューマン」の特徴です。

この生き方を通じて、私たちは思考や感情をただの現象として受け入れ、真に充実した人生を歩むことができるのです。

がん細胞のような人類と未来への希望

「人類を愚かなサルども」と呼ぶことに抵抗を感じる人は多いかもしれませんが、私たちがこれまでに行ってきた行動を振り返ると、この表現は決して過激ではありません。戦争、差別、環境破壊、そして地球資源の浪費。私たちは地球という舞台に、まるでがん細胞のように振る舞ってきました。人類は、がんのように自己中心的に増殖し、周りの環境を破壊し続けています。しかし、この破壊的な行動を続けた結果として、未来には絶望的な結末が待っていることを忘れてはいけません。

がん細胞は通常の細胞とは異なり、自己増殖を優先し、周りの組織を破壊します。この行動は、私たちが地球で行ってきた振る舞いと酷似しています。しかし、科学的知見によれば、ごくまれにがん細胞が正常な細胞に戻ることがあります。これは「分化誘導」と呼ばれるプロセスで、細胞が誤った増殖を修正し、元の健康な状態に戻ることを意味します。このプロセスは、私たちが未来に目指すべきニューヒューマンの姿を象徴しています。

ニューヒューマンとは、単なる個人の幸福や利益を超えて、地球全体の調和や持続可能性を考え、行動できる存在です。彼らは、自分たちだけの利益を追求する愚かなサルとは異なり、地球や他の生命との共生を重視します。ニューヒューマンは、地球環境や他の生物への配慮を第一に考え、持続可能な未来を築くために行動する、新しい人類の形です。

私たちががん細胞のような自己中心的な行動を続けていては、未来は絶望的です。しかし、ニューヒューマンのように正常な細胞に戻り、他者や自然との調和を目指すことで、未来には新たな希望が生まれます。ニューヒューマンは、思考や感情に支配されることなく、価値ある行動を選び取ります。彼らは、どんな困難や苦悩に直面しても、それを単なる思考や感情と認識し、自分の価値に基づいて行動する力を持っています。

そして、ニューヒューマンはただ自分のためだけではなく、地球全体の未来を見据えています。私たちが今、この道を選び取らなければ、人類の未来は不確かなものになります。ニューヒューマンこそ、私たちがこれから育て、広めるべき存在であり、彼らこそが地球と人類にとっての最後の希望なのです。

未来を築くためには、綺麗事ではなく、現実を直視し、行動を変えていくことが不可欠です。綺麗事を声高に主張する人こそ現実を放置して問題を先延ばしてきた張本人たちなのです。ニューヒューマンのように、地球や他の生命との共生を大切にする新たな生き方を選び取ることこそ、今後の人類の進化の道なのです。

マインドフルネスで思考を受け入れる方法

私たちが日常的に見たり感じたりするものは、単なる「モノ」ではなく、私たちの脳が作り上げた解釈や評価が加えられたものです。例えば、嫌いな人や不安を感じる物事に対して、私たちはそれらを単なる「事実」ではなく、脳が作り出した「評価」として捉え、それに苦しみを感じます。実際には、そこにはモノがあるだけで、そこに加えた意味や感情はすべて私たちの脳が作り上げたものに過ぎません。

この世は

モノがあって、モノが動いているだけ

モノが事実であり、意味も理由も評価も価値も何もない無色透明なものです。

しかし、私たちはこの「意味付け」と「事実」を一緒にしてしまい、脳内で作られた思考や感情を現実そのものと信じ込んでしまいます。この状態を「フュージョン」と呼び、これが強くなると、私たちは思考や感情に振り回されやすくなります。不安や恐怖、後悔などの感情が自分を支配し、行動を制限してしまうのです。

そのため、私たちが目指すのは「デフュージョン」、つまり思考や感情と事実を切り離し、それらが単なる脳が作り出したものだと認識することです。たとえば、何かに対して不安を感じたとしても、それはただの感情に過ぎず、現実とは異なるものであると知ることで、その不安に支配されずに行動することができます。
それには、マインドフルネスの技法を使用します。

思考や感情をコントロールすることはできません。私たちはそれに対して抵抗したり、無理に消そうとするとかえって苦しみが増すことを知っています。それよりも、それを「ただの思考や感情」として受け入れ、それに振り回されることなく、自分が本当に望む方向に行動することが重要です。

例えば、溺れそうなときにもがくと、さらに沈んでしまいますが、何もしないで体を浮かべれば助かるのと同じように、思考や感情も抵抗せずに受け入れることで、私たちは自由に生きることができるようになります。

このような訓練を通じて、私たちは思考や感情に振り回されることのない、活き活きとした人生を歩んでいきます。人生は一度きりで、宇宙から見ればほんの一瞬の出来事です。その奇跡のような時間を、無駄にせず、自由で充実した人生を生きていきましょう。